夫婦ルール

　
　「大変な目に遭いましたね詩音さん」

　渉さんがクスクス笑いながらあたしの手を離さない

　「もう！いつからいたんですか？」

　「最初からですかね？」

　「しかしなぜ美波さんが嘘を言っていると？」

　「あー武さんは僕の隣の席なんですよおそらく詩音さんからみたら僕を見ているように見えていたんじゃないんですか？」

　「そうです！てっきり渉さんのことが好きなんだなと」

　「言ったじゃないですか僕はそこまで人気はないと」

　本当にこの人は無自覚な天然さん

　「それに美波さんと詩音さん以外は皆さん結婚されてますよ」　
　
　「え！嘘！」

　「本当です」

　「は～もう疲れました今日は恋愛小説みたいな１日でした」

　「お疲れ様です」

　「あ！渉さん途中あたしと結婚するのは決定事項とか言ってませんでした？」

　「言いましたが？」

　「・・・本気ですか？」

　「嫌ですか？」

　「まだなんとも」　　

　「いいですよ焦らなくても僕と詩音さんが結婚するのは決定事項なんですから」　
　
　「もう！渉さん！」

　腕いっぱい伸ばして渉さんの肩をポンポンと叩く

　「好きですよ詩音さん」

　「あたしも好きです渉さん」

　本当に恋愛小説みたいな１日でした