大悪魔さんのターゲット。
ー明日香中学校1年1組ー
(※偽名です。)

「ねぇ、三上紅音って知ってる?」

「女の子みたいな名前よね。」

「あー、わかる!いつもひとりでいるし、髪の毛ボサボサだし気味悪いよね」

「でもさ、髪ロングだから女の子にも見えなくないよね。」

‥‥どうして人は好き勝手言うのが好きなんだろう。

「ドS男子ってさ最近漫画に多くない?」

「わかるー!でも、キュンキュンする意地悪っていいよね!」

「そーなのー!」

‥‥ドS男子かぁ。最近はマゾ女子が多いかなにかなのかな‥‥?
俺の隣の席で女子が喋っている。俺は机に突っ伏したまま耳を傾ける。寝ようと思ったけど、うるさくて眠れなかった。

「でも、ドSと、ウザイは違う。ウザイやつには関わりたくないよねぇ。」

‥‥違いがわからねぇ。それ、いじめる奴の顔とかの問題じゃねーの‥‥?

俺はとにかくこの名前が嫌いだった。友達に「紅音ちゃん」とからかわれる度に親を恨んだ。
小学校で1度紅音くんと呼んでくれていた子がいたけれど、その子は同じ中学校にいなかった。
俺はいっそ友達に「紅音ちゃん」と呼ばれるくらいなら


ー友達を作らなくていいという考えにいたった。
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