大悪魔さんのターゲット。
「みか‥‥じゃなかった、紅音くんとはどういう人なんですか?」

さらっと私は弱点を掴みに入る。

「紅音?紅音はここでは最年少。なのに、No.1ホストなんだよ。でも、最近紅音はそんなに楽しそうじゃないんだ。」

「楽しそうじゃ‥‥ない?」

三上くんは私といる時、つまらなそうな顔を見せたことがない。逆に笑っていない彼をあまり想像ができなかった。

「ここの常連の瑞月さんって方がいるんだけど、いつもVIP席に入っていくんだ。」

瑞月さん‥‥今日彼女だと噂があった‥‥

「VIP席‥‥」

「VIP席はかなりのお嬢様なんだけど、その方が大いに紅音を気に入ってるんだよ。」

「なぜなんですか‥‥?」

「俺にもそれはわからない。あんな裏面悪魔のような子のどこがいいんだろうね(苦笑」

あ‥‥表では悪魔じゃないんだ‥‥。

「でも、最近そのお嬢様が紅音に求婚を申し込んだみたいだよ。」

「えっ‥‥」

「紅音は表の性格上断れないからね。おそらくいいよとでも言ったんじゃないかな。だから、毎日楽しそうじゃないんだと俺は踏んでるんだけど‥‥」

私は三上くんのこと何も知らないじゃない‥‥

断れない性格なんて知らない。

三上くんは面倒だと思ったことは楽しようとするし、求婚を申し込まれただなんて三上くんから聞いてもいない。

「紅音くん‥‥今どこにいますか?」

「えっ?紅音?今日はまだ来てないみたいだけど‥‥8時頃には来るんじゃないかな。瑞月さんがお帰りになるから。」

「そう‥‥ですか。」

私は‥‥どうしたらいいのかな‥‥

彼になんて言えば‥‥

彼は素直になれるのかな‥‥
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