大悪魔さんのターゲット。
「‥‥俺はめんどくさい悪魔だね。」

「そうですね。めんどくさい悪魔です。」

「そこは違いますとか言って欲しかったかな。」

笑いながらそういう彼。もう泣いていなかった。ツッコミまで出来ているからもう彼は大丈夫だと思った。

「自分の答えを見つけられたんですか?」

「えぇ、おかげでね。」

(やっとここから出られるよ。)

「よかったですね。」

「本当にあなたに会えて良かった。俺はちゃんと伝えるよ。そして俺は

悪魔をやめるよ。」

「‥‥!」

「なんてね。悪魔はやめない。」

「えっ‥‥」

「孤独の悪魔は天使と結ばれる‥‥。

そんなありえないことを


俺は出来るって証明するよ。」

あんまり言ってることは伝わらなかったけれど、相当なキザなセリフを言っている‥‥。

「じゃあ最後におまじないをしてあげましょう。」

「おまじない‥‥?」

そして、私は三上くんの手を私の手で包み込んだ。彼は顔を真っ赤にしていた。

「え、ちょ、!?」

「あなたは1人じゃないよ。もっと周りの気持ちを見たらきっといいことがあるから。

自分を信じて‥‥」

そう言い終わると私は手を離した。

「じゃあ、私はこれで。今日は楽しかったです。お相手ありがとうございました。」

私はぺこりと頭を下げ、玄関へと向かった。

「ちょっと待って!」

が、後ろから引き止められた‥‥
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