大悪魔さんのターゲット。
学校の作文で友達について書く宿題が出た。私は誰を書こうなんて迷わず、一目散に彼を探した。

「あ、見つけた!」

彼は「げっ‥‥」って明らかに嫌そうな顔をする。そんな顔されると結構傷つく‥‥

「はぁ‥‥なにかようなわけ?」

面倒くさそうにしているけど、結局話を聞いてくれる彼を私は優しいと思った。

「友達になってほしいの!‥‥ダメ?」

「俺の話聞いてた?独りが好きだって言ってんの!」

「独りぼっちなんて寂しいよ‥‥」

彼の考えと私の考えは違う。

「強がらなくていいんだよ?」

「別に強がってるわけじゃ‥‥!?」

私は彼の手を包み込んだ。

「ちょ、な、」

「おまじない!強がらないようにするおまじないだよ。」

「‥‥っあはは、なんだよそれ(笑」

「あ、初めて笑った!」

そう言って2人で笑った。

「友達になってくれる?」

「‥‥どうせなるまで付きまとうんだろ?」

「もちろん!」

「なら、なってあげるよ。」

私はとても嬉しかった。今までたくさんの友達が出来たけれど、こんなにも嬉しいと思ったことはなくって、あなたが特別に見えた。

「名前何ていうの?」

「‥‥?」

「君の名前だよ。」

「えっと、私の名前はね朝山琴って言うんだ。よろしくね!ーーくん!」

「うん、よろしく。」


彼はちょっぴり微笑んでそう言った。そんな彼の顔を見たのは初めてで、たくさんの表情を見たいと思った。
< 67 / 95 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop