大悪魔さんのターゲット。
朝山side

糸は簡単に切れてしまう。

「俺と朝山さんの契約は解除だよ」

彼は明るくそう話す。おそらく私の気持ちに気づいてないから。

昔の私なら早く契約なんて解約して欲しかったと思う。

でも、今は違う。

「俺は初恋の子に告白する。朝山さんを無理やり彼女にして、初恋の子にOK貰えたら二股になるし、朝山さんも好きな人と恋したいでしょ?高校生活なんて1度しかないんだしさ」

「‥‥そうですね。」

私は三上くんでよかったんだよ。三上くんといて、意地悪ばかりされるし、脅されるし、嫌なことは沢山あった。
けど、三上くんの裏も知ることができた。笑ってくれる、楽しいことも沢山あった。
私にとってはもう十分高校生活が楽しかった。この日常がいつまでも続かないことはわかっていたけど、私は三上くんといて無駄と思ったことはなかったんだよ。

私、笑顔で応援しよう。

もう、言葉の彼女でもない。契約も解除したから、

「私も高校生活今からでも楽しみます!好きな人は出来るかはわかんないけど‥‥三上くんの初恋の人へ告白が上手くいくように応援してますね。

友達としてなら、いいですよね?」

「‥‥んー。だめかな。」

彼から出た言葉に驚くことしか出来なかった。

普通応援くらいいいでしょう‥‥?
私は三上くんの照れ屋にも程がありますよ!

「と、とにかく三上くんが何を言おうと、私は勝手に応援させていただきます!友達としてほっとけませんから!!

では、頑張ってくださいね!お邪魔しました!」

私はカバンを持って立とうとすると‥‥

「えっ!?わ、ちょっ!?」

思いっきり三上くんがこちらに向かって倒れてきて、私の上が三上くんを見上げる体制となった‥‥



いわゆる床ドン‥‥?とやつである。
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