大悪魔さんのターゲット。
俺はいきなり「紅音」と呼ばれて驚いて腕を離した。彼女の声は震えてて彼女を見ると瞳が潤んでいた。

「‥‥え、こ、琴ちゃん思い出したの‥‥?」

「うん、‥‥うん、っ‥‥全部っ、おもいだしたよ‥‥‥‥ヒック」

「‥‥っあはは、どれだけ泣けば琴ちゃんは気が済むのさ。」

俺は彼女を自分の腕の中に埋めた。そして、手でそっと彼女の頭を優しく撫でた。

「ぅ‥‥っ、だ、だって‥‥‥‥み、三上くんっは‥‥きづいて‥‥ったんでしょ‥‥?」

「俺も最近だよ‥‥。なんで今まで初恋の人を忘れてたのか意味がわかんないけどね(苦笑


彼女は「ぷっ」と笑って、「確かにねっ」と言った。そんな顔をした後、振られたら俺はどうすればいいんだよ‥‥

「三上くん‥‥」

彼女の目の辺りは赤く腫れていたけど、もう涙は零れていなかった。

「私も好きです‥‥」

彼女はニヘラと笑い、本当に可愛かった。

「よろしく、琴」

あの昔出逢った頃のように、俺は微笑んで






「もう、どこにも行かないでね。」

そう言って君のおでこにキスを落とした。
< 88 / 95 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop