傘を持たないシンデレラ

私はそっと踵を返して学校に背を向けた。


車の通れないような細い道を抜けて長い階段を登りきる。


さっきより空に近づいた体。1つ息を吸う。


酸素が染み渡って、心の痛みが薄まった気がした。


古びた自販機の角を右に曲がった先。


どこまでが敷地だかよく分からない、広い公園に足を踏み入れる。

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