傘を持たないシンデレラ
たくさんの木々に囲まれた公園の片隅には、三角の屋根の下にコの字に木のベンチとテーブルを置いた休憩所みたいなものがある。
そのベンチの角に腰を下ろす。
ここが私の特等席。
通り過ぎる風と揺れる木の葉音が心地良い。
ここには午前授業が終わった土曜日の午後にたまにくる。
まだ九時にもならない平日の朝早くにはこの場所を利用する人なんていない。
静かに、静かに時間が過ぎていく。
学校をさぼるなんていい事じゃないけど、どうせ私が休んで寂しがるような友達はいないし
家にも帰りたくないし。