呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。

「最初は、朝から元気だなって。
すげえなって思ってた。
けどさ、あれバスに乗る担当って決まってる訳じゃないって央に聞いて知ったんだけど、当然俺はそんな事知らなくて。
そこの打ち合わせに幾度に、今日は居た、とか。あれ今日は違うんだなとか考えてる自分に気付いてビックリした。

そんなときに、子供に満面の笑みで挨拶しているその顔を見ちゃって、もう駄目だって思った。

あれも、一目惚れだったんだろうな」


カーーーーっと顔が赤くなるのが分かる。
どうしよう。
嬉しい、けど恥ずかしい。

ちょっと待って、じゃあ何?
あの時にはもう私の事、知ってたってこと?

そう言いたいのに恥ずかしくて言葉がでない。
口をパクパク動かすだけだ。

雄大はクスリ、と笑って「そう、」って答えた。
言いたいことが分かったらしい。


「4月になって、バスを見かけなくなった。そのうちその会社の仕事も終わって俺も行かなくなった。

だけど、あのコーヒーショップで見つけたんだお前を。

何とかして接点を持ちたかったけど、どうしていいか分かんなくて。だってさ、俺はお前の事を知ってたけど、どう説明してもストーカーみたいじゃねぇかって思ったら動けなくて。
情けねぇなマジで。

行く度に気にして、近くに座って、そしたら倒れてきて。
すげぇ焦ったけど嬉しかった。
これで接点が持てたって思った。
けどなんか忙しそうでさ。
俺も仕事に煮詰まってて余裕がなくて。

だから央が俺のデザインした箱のチョコ持って話しかけてくれたとき嬉しかった。
バカみたいだけど運命だってガキみたいに思った。
話せるようになって、舞い上がった。
でも忙しかったから誘って出掛ける時間がなくて誘えなかった。

そんな時コンビニで央を見つけたんだ。
思わず声かけて送るって理由つけて一緒にいたくて。家に入れてもらえて央に告白されて……理性がぶっ飛んだ。

嬉しくて幸せで央が可愛すぎて暴走しちゃった、と……。

はぁ。話せば話すほど何やってんだろ俺」

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