呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。
番外編【雄大とゆかいな仲間たち】
「なぁ、雄大ってセフレと別れた?」
冬の始まりとしては温かなとある日。
近くの中華屋さんから届けられた出前を昼食に、珍しく航大と西園寺と共に昼休憩をとっていた時の事だった。
小さな事務所の打ち合わせコーナーで顔を合わせて、既に食べ終わっていた俺はペットボトルのお茶を吹き出した。
「うわっ、きったねー何すんだよ!」
飛んだ向きは西園寺で。
まぁいいか、と机の上をティッシュで拭き取った。
西園寺は一応先輩なんだけど、付き合いの長さと軽さで仕事以外は敬うことは出来ない。
しかた無いよな、うん。
で、兄である航大が今とんでもないことをふっこんできたような……。
「あのさ、『彼女』出来た?から始まるんじゃねぇの普通」
どっちにしても答えないけど。
年の離れたこの兄はいちいちどうしてか俺に構いたがる。
兄の事は素直に好きだし、尊敬もしてる。
ただ、極度のブラコンで。
男子校上がりで特に女関係が不器用な俺の事を心配してか、それはもう色々と知りたがる。
俺、30過ぎてんだけど……。