呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。

「まじで?長いじゃん」

「彼女、お前の仕事納得してのか?ろくに休み取らずにほったらかしで、何?ちゃんとフォローしたりしてたの?」


何なんだよ、一体。


「納得?なんでそんな事航大に言わなきゃいけないんだよ」


ほっといてくれよ。


「あのさぁ、どうでも良い女なら別に何も言う気もないけど、大事だったんだろ?お前、ここ数ヵ月使い者になんねぇからな。仕事に持ち込んでんだよ」



「………………っ、悪い」

確かに、今までならあり得ないくらい小さなミスがかなり目立つ。
ちゃんと切り替えてるつもりでも、央の抜けた穴が大きすぎて、手に付かないなんて……重症だな。


「どらどら、お兄ちゃんに話してごらん?そしたら彼女の居場所を教えてしんぜよう」

そうだそうだ、話せー。
うひゃひゃひゃひゃ。

なんて、下世話に笑う西園寺には何も言う気にはなれないが、央の居場所は教えてほしい。
まぁ兄貴も親切心2割、好奇心8割ってとこだな。


「……チッ、仕事仕事でほったらかしにしすぎてフラれた。それだけだよ」


無言で頭を傾げる航大。
西園寺よりかはまだキモくない、か?

「で?」

は?

「で?、って何?」

「いやいや、それだけじゃねぇだろ?」

「………………それだけだけど?」

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