呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。
「頼むから、教えろよ。ここまで言わせたんだから。一方的にフラれてちゃんと伝えてないんだ」
「一方的?」
っ、たくどこまで言わすんだよ。
「いつの間にか引っ越されて、セフレにはなれないって言われた後から携帯も拒否られて、メールもラインもブロックされて、仕事も辞めてた」
横で西園寺が吹き出して。
徹底されてるなーなんてゲラゲラ笑われる。
航大からにも、ほら見ろと言わんばかりの視線が痛い。
「…………はぁ。午後からの仕事は?」
は?いきなり何だ?
「雄大、午後から何があるんだって聞いてる」
兄貴の顔から仕事の顔になる航大。
「あぁ……午後からはMAKINOのデザイン画政策。色々と資料もらってきたから会議室に籠る予定」
「明日は?」
「古川文具の鉛筆考える。午後から古川文具に持ってくし」
「鉛筆のデザインは出来てんだろ?」
「あぁ、午前中はチェックとまぁ時間があればもう一案考えようかなってとこ」
航大は少しだけ考え込んだ後、西園寺に視線を向けた。
西園寺もにやにやしながら頷いている。
何だってんだ。