呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。
「っ、」
「ご、ごめんなさいっ。突然すみません。だけど、どうしても会いたくて……あのお店以外でも桜木さんに会いたかったんです」
「っ、」
「こま、困りますか?」
「━━━っ、」
「ごめんなさい。突然こんなこと言われても困りますよね」
あぁ。困らせるつもりはなかったのに。
そんな困った顔を見たかった訳じゃなかったのに。
やってしまった。
感情が高ぶって、ぶちまけてしまった。
冷水を浴びたように一気に身体中の体温が下がる。
恥ずかしい。
恥ずかしい。
恥ずかしい。
勘違いも甚だしい‼
その場の空気を掻き回すように早口で捲し立てる。
彼の言葉も聞かずに。
それどころじゃ、無かったんだ。
冷静になんかなれなかった。