呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。
お付き合いはコーヒーショップだけ
あれから、あっという間に1年が過ぎて。
私の2回目の誕生日から1ヶ月がたっていた。
結論からいうと、
誕生日どころか、2ヶ月近く会えていない。
さすがにこんなに時間が開くのは初めてだ。
しかも、誕生日のお礼のラインを入れてから全く連絡を取っていなかった。
もう、駄目かもしれない。
いや、もしかしたら始まっても無かったのかも。
あの朝みた光景は私の自信をこなごなに打ち砕いてしまったんだ。
過去の、今までの私なら『あの人は誰?』そんな一言を考える間もなく問いかけられたのに。
自分の存在に疑問を持ち続けていた今、それを聞ける立場にあるのかさえも疑ってしまっていた。
彼女の誕生日。
電話一本入ることもなく、去年と同じ花束が送られてきた。
次の日の朝、長い髪をさらりと靡かせてヒールを鳴らして歩く姿は女の私が見てもかっこよかった。
雄大の隣がよく似合っていた。