呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。
「へぇ。じゃあさ、紹介してよ友達?」
「西園寺、時間いいのか?」
「えーーせっかくこんな可愛いこと知り合えると思ったのに」
「早く行けよ」
「はいはい。すみませんね邪魔して」
「アホか……「あ、あの!ゆうっ、さ、桜木さん。今日早番だったんです!ごめんなさい、もう行きます!」
聞いていられなかった。
彼らの会話も聞こえてこなかった。
頭のなかが真っ白で。
雄大の否定の言葉がこだまする。
雄大の同僚の人に変に思われたかもしれない。
挨拶も出来ない女だと思われたかもしれない。
雄大も、こんな彼女が嫌だったのかもしれない。
自分を否定する事しかできなくて。
その場から逃げ出した。
答えはこの時に出ていたのかもしれない。