呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。
ベンチの後ろに人の気配がして、少しずつ近くなる2つの足音。
誰かきたのかな。
ここは公園だ。
誰が来たって不思議じゃない。
遠ざかる足音に何気無く振り向いてしまった。
・・・・・雄大?
えっ?何で?
二人が通りすぎた後に振り返ったため雄大は私に気づいていない。
雄大を支えるように、前に見たヒールの似合うあの人が。
雄大の腕をもって歩いている。
なんだ。
そっか。
降って沸いたのは怒りよりも諦めと納得で。
見たくなかった現実を突きつけられただけ。
公園横にあるマンションに二人で入っていった。
それが、真実だ。
その場から動けなかった私はどれくらいそこにいたのか。
辺りが暗くなっていることに気付いて帰路についた。
その間彼女がマンションから出てくることも無かった。
そういうことなんだ。