呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。
「だからね、終わりにしようと思って」
そこまでを一気に話した。
話ながら涙が溢れる。
なっちゃんは静かに聞いてくれた。
「でね、お仕事少しお休みしようと思って。
幼稚園の近くはあの公園があるから辞めようかと思ったんだけど、園長先生が
『少しお休みして考えてみたら』って言ってくれて……」
『そっか。央が決めたなら……大丈夫?』
「うん、もう待つのは疲れたんだ……でもね、そう思っていてもまだ好きで。
あっ、あのさ明日私引っ越すんだ」
『突然なに!?はっ?引っ越す?』
「うん。未練がましいけどここにいたら来るのをいつまでも待っちゃう気がして……」
『あー……そっか。そうだよね』
「うん、それにさ……コンビニも実は探してたんだよね……」
『新商品?』
「ふふっ、違うよ。雄大。お外を一緒に歩きたかったの。並んで……あ、歩き……たか、っ。……っ、ふぅ。歩きたかったの」
声が震える。
声に出すことで本当に最後にするんだとかみしめる。
『ヒロ……』
「へへっ、そんなことしてこんなことになってたら駄目じゃんね」
『そうよ!無事だったから良かったものの気を付けなさい!』
「うん。もうしない。だってお引っ越しするもの」
『うん。頑張った。もぅっ!もっと早く愚痴りなさい!そしたらその男のところに乗り込んで行ったのに!』