呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。
呆れるほどに不器用な恋の行方
今のアパートの近く保育士を休んでいる間、昔ながらの喫茶店でバイトを始めた。
本格的なコーヒーが飲めるお店でオーナーの定年後、趣味で始めたお店だそうだ。
カウンターが4席とテーブル席が2つの小さな店で、一人で営んでいたが少しづつ体が疲れてきたらしくホールのアルバイトを募集していて、偶々近所を散策していたところコーヒーの匂いに誘われてふらりと入ったのがこの店だった。
「いらっしゃいませー。あっ、なっちゃん」
「ふふ、こんにちは」
「おっ、篠原さん。いつもありがとね」
「はい。こちらへどうぞー」
既に常連になりつつあるなっちゃんにいつものカウンターを進める。
バイトを初めて二ヶ月が過ぎた。