呆れるほどに不器用な恋を、貴方と。
合わせていた視線をはずし、重ねられた手も外された。
温もりが離れて寂しかった。
だけど、雄大は離した自分の両手で顔を覆い、もう一度溜め息を出して爆弾をおとした。
「………………央と連絡がとれなくなって自棄になってたんだ」
「・・・・・
━━━━━━━━━━はぁぁっ!???」
うん、待って。
聞いてて。
マジで恥ずかしいから、なんて慌てて付け足されて。
手で覆いきれない耳はほんのりどころか真っ赤になっていた。
「本当は央の誕生日に間に合わせたかったんだけど、やっぱり無理で。
だけど、すこしでも早く央に見せたくて無理に仕事してた。
……央は分かってくれてると思ってたんだ」
「何よそれ。意味もわかんない。
……………………勝手なことばかり言わないでよ」
「…………分かってる。
そんなの俺の勝手な考えだって分かった。
央にすげぇわがまましてきたのも分かった。
航大にも言われた。
周りの事ばっか固めて肝心なこと央に伝えてなかった」
「…………航大?」
「うん、兄貴。年の離れた兄貴がいてデザイン始めたのもその影響で。俺が大学の時に独立したんだ。
俺もそこで働いてる。
この前会ったんだろ?」
誰?お兄さんに?会った………………?
「けっこー前、あのコーヒーショップで西園寺って奴に会ったの覚えてない?
兄貴の同級生で兄貴と二人で独立したから今一緒に働いてる。
先週『何処かで会ったこと無い?』とか言ってナンパしてきた奴だよ」
「えーーーーーー!!!」
凄い。
本当に会ったことあったんだ。