花火
そうして、旅路は2人と1匹となった。


猫はわたしの腕の中。


とっても、かわいい。


「ねぇ」


彼が声をかけてきた。


「きみは、えがおのほうがかわいいよ」


―――え?


照れくさそうに言う彼の顔は、真っ赤だった。


「だから、わらっていたほうがいいよ」


顔をそむけながら、言った。


―――うんっ。


わたしはうなずいた。



< 4 / 18 >

この作品をシェア

pagetop