王子、月が綺麗ですね
「葵くん、少し休んでいこうか」
紅蓮殿が王子を振り返り、王子の側に駆け寄ったかと思うと、王子の足に触れ状態を確かめた。
「ずいぶん我慢を──」と眉をしかめ、王子を両腕にサッと抱きかかえた。
木造建の市場の中は、野菜、魚、肉の他にお惣菜や工芸品などもあり、こじんまりした食堂もあった。
紅蓮殿は王子を食堂の椅子に座らせ、足のマッサージを始められた。
瑞樹さまとわたしと祥は5人分の昼食を注文し、テーブルに運んだ。
「どうだい、足の具合は?」
「かなり張っていますね。これ以上歩くのはちょっと」
「……すまぬな」
「早くお食事食べないと、祥に全部食べられちゃいますよ」
祥は王子たちが話をしている間に、テーブルに並んだお皿を片っ端からぶっしょくしていて、すごい勢いで食べていた。
紅蓮殿が王子を振り返り、王子の側に駆け寄ったかと思うと、王子の足に触れ状態を確かめた。
「ずいぶん我慢を──」と眉をしかめ、王子を両腕にサッと抱きかかえた。
木造建の市場の中は、野菜、魚、肉の他にお惣菜や工芸品などもあり、こじんまりした食堂もあった。
紅蓮殿は王子を食堂の椅子に座らせ、足のマッサージを始められた。
瑞樹さまとわたしと祥は5人分の昼食を注文し、テーブルに運んだ。
「どうだい、足の具合は?」
「かなり張っていますね。これ以上歩くのはちょっと」
「……すまぬな」
「早くお食事食べないと、祥に全部食べられちゃいますよ」
祥は王子たちが話をしている間に、テーブルに並んだお皿を片っ端からぶっしょくしていて、すごい勢いで食べていた。