王子、月が綺麗ですね
16 葵side 見立て
「お荷物にしかなっておらぬな」
俺は申し訳ないという気持ちを込める。
紅蓮は「元よりお体を治すための旅にございますから」と、俺を慰めた。
熱で火照る体が申しわけなさと情けなさで、更に熱くなっていく気がした。
「直に休処があるはずさ」
叔母上が俺の気持ちを察したように言うと、祥が食べたいものの名を一気にあげた。
「祥くん、そんなに食べたらお腹壊す」
「そんなヤワな腹してねえ」
「其方の胃袋は底なしだな……だが、旅の予算もあるし、民から貰った税金、血税だ。腹八分目に頼む」
祥は肩を落とし頂垂れ、元気なく首を縦に振った。
叔母上の言った通り半刻ほど歩くと茶屋があり、俺たちは体を休めて、腹を満たし喉を潤した。
茶屋で、俺たちの楽団演奏が噂になっている話を聞いた。
俺は申し訳ないという気持ちを込める。
紅蓮は「元よりお体を治すための旅にございますから」と、俺を慰めた。
熱で火照る体が申しわけなさと情けなさで、更に熱くなっていく気がした。
「直に休処があるはずさ」
叔母上が俺の気持ちを察したように言うと、祥が食べたいものの名を一気にあげた。
「祥くん、そんなに食べたらお腹壊す」
「そんなヤワな腹してねえ」
「其方の胃袋は底なしだな……だが、旅の予算もあるし、民から貰った税金、血税だ。腹八分目に頼む」
祥は肩を落とし頂垂れ、元気なく首を縦に振った。
叔母上の言った通り半刻ほど歩くと茶屋があり、俺たちは体を休めて、腹を満たし喉を潤した。
茶屋で、俺たちの楽団演奏が噂になっている話を聞いた。