誤り婚−こんなはずじゃなかった!−
一人、庭園に残されたハロルドは城への入口を見つめた。ついさきほどシャルとあいなが通った場所である。
「……シャル。君は本当に鈍感だよ。罪深いくらいにね……」
今、ハロルドの瞳には影が差していた。それは空に広がり始めた雲のせいではない。
「僕が君の恋の伏兵になっても怒らないでね。って、それは無理な話かな。君はきっと慌てふためくのだろうね。いや、激昂するのかな?」
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