誤り婚−こんなはずじゃなかった!−
「じゃあ、私達にこの世界を案内してくれる?」
「おお!いいぜっ!任せろっ。まずは、城の中でも探険してみるか?」
「うん!探険したい!ありがとう!行こ、龍河っ」
シャルは乗り気であいなと龍河を城内に連れていく。考え込んでいたルイスもさすがに我に返った。
「シャル様!あなたは今勉強の時間を抜け出している最中なのですよ!?遊んでいては国王様に叱られます!」
「こいつらを野放しにしとく方が問題あるんじゃないの?」
「そうですが、しかしっ」
「大丈夫!ルイスのせいじゃない。俺が勝手にやったことだって言っとけ!」
「それでも私がお叱りを受けるのに変わりはありません!」
「それもそっか。じゃあさ、ルイスも遊んじゃえよ。どっちみち後で怒られるんなら何もしないより楽しんだ方がいいしっ!」
「どんな理屈ですかそれはっ。わあっ!」
反対しているそばからシャルに手を引かれ、ルイスはそれ以上止めることが出来なくなってしまう。
「あなたは自由ですね」
「何言ってんだ。俺が不自由だってこと、お前が一番よく分かってるクセに」
「……そうでしたね」
目を合わせ、どちらかともなく笑う。シャルとルイスは、謎の少年少女と共に、よく知るカスティタ城内を駆け回ったのであった。