櫻の香り


朝、ようやく帰ってきた土方さんの寝惚けながらおかえりを言うと頬に口付けをされた。
不意打ちにするなんて真似ムカつくからネクタイ引っ張って口にしてやった。
「ざまあみろ」
にやりと笑う土方さんが何だかとても好きで抱き着いた
土方さんが時間を指差してようやく気が付いた
「あ!遅刻!土方さん送ってって!」
急いで制服に着替えて髪を縛ろうと洗面所に立つ
首元に付いたキスマークに顔が赤くなる
急いでいつもより少し下に縛り制服を確認する
「よし!」
鞄に教科書とペンポーチを突っ込み二階から掛け降りる、無駄にデカいから移動が大変だ
黒塗りのかっちょいい車、エリートさんならではの車だ
傍から見れば親子?兄弟?どうなんだろう、ちゃんと恋人に見えてるかな
「桜、ん」
こんな外で馬鹿見たいって見られるだろうけど、夫婦だからごめんなさい許して下さい
余りの皆に見えないように少し唇が触れると直ぐに離す、毎朝の恒例だから
唯一土方さんの妻だって証明出来る瞬間だから私はこの瞬間が一番好き
「行ってきます、お仕事頑張ってくださいね」
くるりと後ろに向き学校へ行こうとすると「もう一回」と腕を引かれ唇が重なった
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