幼なじみのメランコリー
私がそう言った瞬間、同時に2人が私に注目した。


「もしかして王子！？」


すると、おそらく水谷くんであろう彼はキョトンとしていた。


しまった。
王子は内輪だけで言われてたことで本人は知らないんだった。


「なに？お前ら知り合いだったの？」


「あ、いや、私あの個別指導の塾で一緒だったんだけど、分かる？」


彼、水谷空(みずたにそら)くんとは私が中学校の時に通っていた塾で授業が一緒だった。


その塾は個別指導形式の塾で先生1人に対して横に2人生徒がいるスタイルの塾。


同じ先生だけど、個別に先生に授業をしてもらう形式だから一緒の授業を受けてたってわけでもないんだけど、一緒のブースだったから顔は知っていた。


それに、かなり美形だから塾では相当目立ってて、塾で友達になった女の子たちが王子ってあだ名をつけて騒いでいたりしてたから。

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