幼なじみのメランコリー
その瞬間、私は手に持っていた書類を床にバサっと落としてしまった。


「な、な、な、な、何言ってんの?そ、そんなことあるわけないじゃん」


そして散らばった書類を掻き集めていると。


「ははっ、わかりやすっ。そんなんで隠してるつもり?」


「だから、違うって言ってんでしょ!」


何これ、何これ、何これ!?


水谷くんの顔をキッと睨むと、水谷くんは笑ってた。


笑ってるんだけど。


いつもあの笑顔とは全然違って。


なんだか怪しい、悪巧みを含んだような笑みだった。


< 36 / 67 >

この作品をシェア

pagetop