花束
「ほんとどっちが歳上かわからないわね〜、縁」
「うっせ。ほら、ひかり早く行こ」
強引にあたしの手を取って
スタスタと歩き始める縁。
あたしは少しドキドキしながら
縁のお母さんに行ってきますを言った。
家を出てからも相変わらずスタスタと歩く縁。
「縁歩くの早いしんどい」
「あっ、すまん」
パッと手が離れる。
少し寂しくも感じるけどまぁしゃーなし。
真っ赤になった縁の手に
あたしはお母さんからもらったカイロの1つをあげた。
どうせお母さんがあたしに2個持たせた理由もそこだろう。
「あったけ〜」
ふにゃん、と笑う縁は少し可愛い。
…ほんとどっちが歳上かわかんないかもね。
「あたしに感謝してよね!」
「ひかりじゃなくてひかりんちのおばさんに感謝する」
…バレてる。