彼女はミルクティーが好き。
人気者なんて
カズちゃんの言ってた王子様達?なんて嫌な響き。
どこの学校にもいるもんだ。
「あれ?新しい管理人さんですか?」
最初に帰ってきた生徒は小柄な男の子だった。
「はじめまして。」
王子様がいるなら生徒にあまり近づかない方がよさそう。
それにこの人たちは金持ちのボンボンなんだし、住む世界も違うんだから。
「えっと、あのそんなに警戒しないでくださいよ。僕は4年の有村です。あなたは?」
ニコニコしていて、4年生とは思えない落ち着きで、しっかりしている。
「私は、管理人の奏多です。」
挨拶を返すと、うれしそうに笑って、一条学園のことを話してくれた。
どんな雰囲気だとか、他の寮や、学科のこと。
勉強になったし、管理人とはあまり生徒とはかかわりがないことなど、
いろいろ教えてくれた。その時、急にロビーが騒がしくなった。
「あ、帰ってきたみたいですよ。管理人さんは王子様って人たちのこと何か知ってます?」
ロビーから騒がしい女性たちの声が聞こえる。
あぁ、嫌な感じ。
「いいえ、何も知らないです。」
年下と言え、生徒にため口を使うわけには
いかないので、敬語で返すと、生徒は少し驚いた顔をした。