彼女はミルクティーが好き。
一条は私が抵抗しないことをいいことに、
顔はどんどん近づいてくる。
・・・なんだこいつは。厚かましい。
もういいですか。我慢できません。
一条の顔が近すぎて見えなくなる時、私は冷たい声で言い放つ。
「学園のご子息が笑わせますね。」
笑いもせず、しっかりと目をとらえる。
驚いたのか、
少し離れた一条の胸を押すと、案外簡単にどいてくれた。
「この男性寮の敷地は女生徒立ち入り禁止だからって、
管理人に手を出すことないでしょう?
もう21歳なんだから、
外で発散してこられてはいかがです?
私じゃなくて、
もっといい相手がすぐ見つかりますよ。」
キレてくると思っていたが、
彼はなぜかすごく驚いている。
なんだ。そんなことも言われたことも無かったのか。
「じゃあ、今度締め出されたら、呼んでください。
美味しいお茶ぐらい呼ばれにお邪魔します。」
最後に嫌味を言って、部屋から出る。
彼は最後には引き留められたが聞こえないふりをして部屋の扉を閉めた。