彼女はミルクティーが好き。
「あの本に部屋のICカードを挟んでたから、部屋に入れないんだよ。どうしよう。」
そういうことか。ただ本を隠すってわけじゃないんだね。
「新しいカード、作りますよ。」
すぐ作れるし、新しく作ったら、前のカードは使えなくなるから防犯面も大丈夫。
「本も、掃除したら出てくると思いますし。」
一応、黙っておく。
その私たちが話している間に、双子のもう一人がやってきた。
「あれ?お兄ちゃんどうしたの?」
白々しく何も知らないふり。
「あの本失くしちゃったの?カードも入れてたじゃん。」
カード、カードって。すぐ作れるって。
「管理人さん、やっぱりカード作ってもらえますか?」
そういわれ、3人で事務所に向かう。
「僕の名前、知ってる?」
そういえば、自己紹介された覚えないもんな。
でも、話に聞く限り、名前もどっちが兄なのかもわかる。
「えぇ、分かりますよ。あなたたちは人気者ですからね。」
そういうと双子は、鼻で笑った。
まるで当たり前だと言わないばかりに。
「はい。カード出来ましたよ。」
すぐに作ったカードを持って、
笑顔でありがとう。
というとすぐに去っていった。
・・・なんとなく最初から、気付いていたけど。