彼女はミルクティーが好き。



「忘れものですよ。カード、入れてるんでしょ?」





 彼女はまっすぐ兄の所まで歩いていき、
手渡した。兄は、少し驚いていたが、


途端に入れ替わろうと思ったのか、嘘をつき始めた。





「僕の本じゃないよ。これはお兄ちゃんの本だし。見分け、つかないの?」


兄も見分けついてないことに少し、いらだっていたようだ。



「あら?優さん。あなたがお兄さんでしょ?」



差し出した本はひっこめず、
自信をもって、彼が兄の優だと告げる。





「何言ってんだよ。カード作り間違えたくせに。見分けつくふりしてさ。」




 ただのあてずっぽうだ。





確率は50%偶然当たることだってあるよ。

知ったかぶって腹が立つ。








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