彼女はミルクティーが好き。
「本当ですか?
よろしければ、わたくしに作り方を教えていただけませんか?」
そこまで言われると、私も嬉しい。
これは教えてあげよう。
「もちろんです。今度の日曜日、
ぜひご友人とご一緒にいらしてください。作り方をお教えいたします。」
「まぁ、それは楽しみですわ。では日曜日、こちらのロビーでお待ちしております。」
うれしいなぁ。
私のクッキーをそこまで喜んでもらえるなんて。厨房の使用許可貰っておこう。
「うれしそうじゃないですか。」
いつ生徒に見られるか分からないのでイケメンモードのままのカズちゃん。
ニコニコしながら私を横目で見る。
「そうですね。喜んでもらえるならこれくらいたやすいことです。」
私もカズちゃんを見習い、敬語に戻る。
「あなた、女にしておくのはもったいないくらいイケメンね。」
仕事に戻るカズちゃんが小声で言って去っていった。
イケメンてそりゃ、
カズちゃんを見習ってのイケメンモードだからね。
見本が素晴らしいからね。
そう思いながらもカズちゃんには伝えず、事務所に戻る。