彼女はミルクティーが好き。
そして、今に至る。
つまり、私は何もわかってない。
仕事内容はどうやら寮の管理人だそうだが、
掃除も庭師もハウスキーパーがいるなんてどんな寮なんだろう。
お嬢様学校としか思ってなかったから、
もしかしたらとんでもない学校なのかもしれない。
そんなことを考えながら近藤さんの後ろをついていく。
学校から歩いて10分ほど経つ。
桜並木は過ぎて、高い塀に囲まれた道をひったすら歩いていく。
「あの、まだ着かないんですか?」
住み込みのため荷物は寮に先に送ってはいたが、
前日まで家で使ったものなどスーツケースに入れているため、
少し歩きにくく、短い距離でも煩わしい。
「いやぁ、そこにあるのはあるんだが、入り口まではあと10分ほど歩くよ。」
そういいながら近藤さんは塀にもたれかけた。
「ま、まさか」
そのまさかだった。近藤さんが持たれかかった塀は
高すぎて向こうは全然見えなかったが、
この先に続く塀はすべて学生寮らしい。