彼女はミルクティーが好き。
ふてくされたかのように口をとがらせ、
こちらの様子をうかがっている。
ほう、この手で女生徒の母性本能をくすぐる訳ですね。
なるほど。なるほど。
あなたが、その手を使うなら、
私はあなたにとって最悪の女性でいましょう。
「私だけに特別な顔を見せてくれるあなたになら、私も、あなたの望むとおりに。」
彼らの周りにはいろんな女性がいる。中には面倒くさくて、厄介な女性だっている。
彼らがその女性が嫌いなら、
私はその女性になりましょう。
「・・・つまんねぇ女。お前も一緒か。」
それだけ言うと一条は部屋に戻っていった。これで彼はしばらくかかわってこないだろう。
双子の件で目立ってしまったんだ。
これ以上、誰かの目に留まるのはごめんだ。
さっきの一条は、なんて言ったらいいか、
おもちゃを見つけて、
すぐ取り上げられた子供みたいに、感情の起伏が激しかった。
馴れたことだろう。
そう見えるように行動しただけかも。
そこまでが演技だとしたら、彼は中々やりますね。