彼女はミルクティーが好き。


全く料理をしたことないとはいえ、
様々な習い事をしてきているせいか、彼女たちの呑み込みは早く、

一度教えれば、ちゃんと思い通りに動いてくれる。




漫画で見るような奇想天外な行動はしないもんですね。



「さぁ、今日はラッピングも用意してあります。
お菓子というのは、自分のためはもちろんですが、

人に喜んでもらうための食べ物でもあるんですよ。」




 焼きあがったクッキーが冷めるのを待っている間に、
彼女たちは目をキラキラと輝かせ、ラッピングを選んでいる。




「一条様は青がお好きなので・・・」


「甘利ご兄弟は、黄色と緑が好きでしたわよね」


 と、話し合いながら、それぞれラッピングを決めていく。


 そうか、これが恋をする女の子の顔なんだ。
優しい笑顔に少し顔を赤めながら、それはそれは楽しそうにしている。







「こんなにかわいいのに。」



 人気者はこんな子たちに囲まれても、
鬱陶しいとしか思ってないなんて。









< 61 / 63 >

この作品をシェア

pagetop