彼女はミルクティーが好き。
全く料理をしたことないとはいえ、
様々な習い事をしてきているせいか、彼女たちの呑み込みは早く、
一度教えれば、ちゃんと思い通りに動いてくれる。
漫画で見るような奇想天外な行動はしないもんですね。
「さぁ、今日はラッピングも用意してあります。
お菓子というのは、自分のためはもちろんですが、
人に喜んでもらうための食べ物でもあるんですよ。」
焼きあがったクッキーが冷めるのを待っている間に、
彼女たちは目をキラキラと輝かせ、ラッピングを選んでいる。
「一条様は青がお好きなので・・・」
「甘利ご兄弟は、黄色と緑が好きでしたわよね」
と、話し合いながら、それぞれラッピングを決めていく。
そうか、これが恋をする女の子の顔なんだ。
優しい笑顔に少し顔を赤めながら、それはそれは楽しそうにしている。
「こんなにかわいいのに。」
人気者はこんな子たちに囲まれても、
鬱陶しいとしか思ってないなんて。