彼女はミルクティーが好き。



「できましたわ。」




 それぞれ綺麗にラッピングされたクッキーを見てるだけで私も嬉しくなった。


こんなに思って作ってくれたクッキーなんて、

もらう側は、なんて幸せ者なんだ。





「では、クッキーもできたことですし、ティータイムとしましょうか。」



 ラッピングで余ったクッキーをみんなで食べる。



その間の話題も、人気者たちで、

どういうところが素敵で、こういうエピソードがあって。


って話す姿がまたキラキラしていて、少しうらやましいとも思った。




私は恋をしたことがないから。

誰かを愛したことがないから。


その感情が理解できない。
でも、彼女たちを見ているだけで、胸がいっぱいになって、私にも幸せを分けてくれる。




「いいにおいがすると思えば、素敵なティーパーティーが開かれているではないですか。」



 カズちゃんがふらっと厨房にやってきた。どうやら匂いにつられたのか。


「ご、ご一緒にいかがですか?」



 あら、あなたは一条が好きなのでは?カズちゃん見た途端、顔を真っ赤にして、照れちゃって




「ご一緒したところですが、用事を残していましてね。


このまま失礼します。素敵な時間を。」







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