彼女はミルクティーが好き。


「この大きさを一人で管理するんですか?」



 驚きすぎて大きな声を出してしまった。


「ははは、大きいといっても、
清掃に庭師、ハウスキーパーに料理人。
それぞれ役職があるんだ。君はその人たちの勤怠と、
備品の管理、IDカードの再発行など、そんなに仕事は詰め込んでないよ。」
 

仕事内容は知ってた。
カードキーの部屋だからIDカードの作り方とか、
備品の発注の仕方など、
難しくない業務に多くない仕事量だった。


「それにここには社会教養学部の
4,5、6年生しか住んでないからな。男女合わせて60人しかない。」


 4,5,6年生?社会教養学部?一学年20人ってまさか、


「ここって、あの一条学園なんですか?!」
「なんだ、知らなかったのか。」


 もらった書類には、ワードで打ち込まれたマニュアルしか入ってなかった。


電話で、とんでもない所だから。

って言ってたからてっきり、
すっかり荒れ果てて、防犯を強化した寮なんだと思ってた。

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