彼女はミルクティーが好き。
近藤さんに連れられるまま、
広い庭を越え、宮殿の中に入っていく。
「ここが今日から奏多くんの部屋だよ。」
連れてこられたところは玄関を入るとすぐに大きなロビーがあった。
そこは平日の昼間なので誰一人いない。
そのロビーの両端には、大きな扉があり、
IDカードをかざすとその扉が開いた。
扉を越えて、右側に窓口があり、そこが私の部屋だった。
「窓口があるのは事務所だけど君しか使わないから好きに使うといいよ。ここの扉を開けると、」
事務所は6畳ほどあって、事務所と言いながらテレビがあって、
ソファーが置いてあり、ポットまでそろっていた。
窓口付近はさすがに、パソコなどの機械に、書類が並んでいる。
この部屋で事務所らしいのは窓口のディスクだけだ。
事務所の奥にある扉を越えると、そこには高級なホテルの一室があった。
お風呂もキッチンもトイレもあってから、ホテルより贅沢かもしれない。
それに寝室はまた別の部屋だった。
そんな贅沢な部屋だったが、家具だけしっかりそろってはいるが、段ボールが部屋を埋め尽くしているのを見て、少し嫌になった。
「じゃあ、仕事は明日からだからね。明日はこの寮を見てまわるといい。私は今から会議に出なくちゃいけないんだ。あとは任せたよ。好きにしていいから。」
そういうとIDカードをディスクに置いて事務所から出て行った。
「とんでもないとこに来ちゃったな。」
これからどうなることか、ましてやあの一条学園の社会教養学部担当なんて、先が思いやられる。
まぁ、今日は荷物片付けて、
必要なものを買いだして、
今日はもう休もう。