本当の君を好きになる
「だから、姉貴が相談に乗ってやってくれないか?って言ってくれたの!可鈴の事なら、相談くらいは乗りたいと思ってね!」
「お姉さん……。」
つまり、直登には私の嘘が丸わかりだったって事か……。
それもそれで恥ずかしいな……。
「……私、将来これになりたいとか、あれをやってみたいとか、何もないんです。だから、進路希望第1~第3まで決めろって言われても、何も思い付かなくて……。」
「なるほどね。」
「まわりの皆は、専門学校とか大学に行って、将来こんな事をしたいとか決まってるのに、私には何もない。それが情けなくて、置いていかれているような気がして怖くて……。」
「──置いていかれても良いんじゃない?」
「……へ?」
まさかの一言に、私は固まる。