本当の君を好きになる
「確かに、まわりが色々と決めてて自分だけが何も決まってない。焦るのは当たり前。でも、焦って適当な結果を出すのが一番良くないと思う。きちんと、自分でしっかり悩んで、自分で納得のいく答えを出すこと。それが大事な事なんじゃないかな?」
私は、大きく頷く。
「小さいことで良いと思うよ?少しでも興味があること、他には可鈴の性格とかね。」
「性格……?」
「そう。私はね、可鈴は人と関わる仕事が向いてると思うよ?可鈴の優しさと、その笑顔は色んな人を癒せると思う。」
お姉さんの言葉に、私は驚くことしか出来なかった。
自分にそんな特性があるなんて知らなかった。
そして、その特性を就職に生かせることも。
「ゆっくりでいいよ。冬休みの間にでも、色んな仕事を調べたり、大学を調べたり……それが進路に繋がる大事な一歩になるから。」
「……はい。」
私は、お姉さんの目を見てまっすぐ答える。
お姉さんの、その笑顔は本当に輝いていてとても綺麗だった。