本当の君を好きになる


「なんて顔してんだよ。」




直登は、そう言って私の頭をくしゃくしゃと撫でる。




「余計なこと考えてるだろ。」




「違うよ……。」




「違わねぇだろ?」



そう言って、頬に手を添えられる。

ポケットに入っていたからか、少しあたたかい。

直登は、そのまま何も言わずに私の目を見つめる。


私も、目をそらすことも出来ずに固まる。



「可鈴。」

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