本当の君を好きになる
「可鈴。」
と、次の瞬間、私の思考は固まった。
唇に触れる、柔らかい感触。
目の前にある、直登の顔。
私は、目を閉じることも出来ず、ただ固まるしかなかった。
離れた、瞬間に漏れる息。
そして、私の瞳いっぱいに映る直登の顔。
うっすらとした唇。
綺麗な瞳。
長いまつげ。
こんなにも近くで、直登の顔を見たのは、初めてかもしれない。
すると、直登は再び軽く唇を重ねる。
そして、すぐに離れる。
そのまま、直登は私の事を抱き締めた。
「俺は、いなくならないから……。可鈴の側にいるから。」
「……直登っ……。」
「長く待たせてごめん。俺と付き合ってください。」