本当の君を好きになる
冬休み
「──はーい、それでは皆さんよいお年をー。」
担任の挨拶が、二学期終了の合図。
私は、うーんと伸びをすると、ニッコリ微笑む。
よし!!待ちに待った冬休みだ!!満喫するぞー!!
「じゃあ、可鈴。また連絡するね!」
「凪沙!うん!私も連絡するー!」
「じゃあ、クリスマス……しっかり幸坂くんと楽しんできてね♪」
「……へ!?」
「じゃあねー!!」
何食わぬ顔で爆弾を落として帰って行った凪沙。
私は、ポカンとしたまま固まっていた。
そうか……。
クリスマスといえば、カップルのイベント。
私と直登も恋人同士になったんだから……。
「──瀬戸さーん。」
名前を呼ばれてハッとする。振り返れば、いつものように直登が荷物を持って立っていた。
クリスマス……直登と一緒に……。