本当の君を好きになる
「──何、変な顔してんだよ。」
直登がみんなに聞こえないようにボソッと呟く。
私は、バッと顔を隠して、平常心に戻る。
「さあ、帰ろうか!」
爽やかにそう言う直登。
二人揃って教室を出たところで、湊くんとバッタリ出会ってしまった。
あ、この二人……犬猿の仲なのに……!!
「何かお久しぶりだね。二人とも。」
「そ、そうだね!!テストとかで忙しかったもんね!!」
「まあ、それもあるけどねー。」
「じゃ、じゃあ湊くん、またね!!」
「……ふーん、そういうこと。」