本当の君を好きになる
クリスマス
***
「──おーう。メリークリスマース。」
気だるげな様子で出てきたのは、私の恋人である幸坂直登。
ボサボサの頭に、眠そうな顔。
ゆったりとしたシルエット。
「……おはよう。」
「おー……。」
「今起きたの……?」
「インターホンの音で目覚めた。わりぃ。」
「サイテー。」
「知ってる。」
せっかくのクリスマス。
二人で出掛けると言ったのに、時間になっても迎えに来なかった直登。
しびれを切らして迎えに行ってみればこれだ。
内心イライラしながらも、少し安心している自分もいた。
恋人になってからのクリスマスって、ずっとドキドキして、緊張していないといけないと思ってたから……まあ、いつも通り朝の弱い直登で良かった。