本当の君を好きになる

「……直登。」


「ん?何?」


「あの、お願いがあるんだけど……。」


「待って。今良いところ。」



そう言って、食い入るようにテレビ画面を見る直登。


結局、クリスマスのDVDを直登の部屋で一緒に見ている私たち。

直登に話しかけてみたが、ちょうど良いところだったのか、話を止められてしまった。



ていうか、こういう恋愛ものの映画とか見るんだ。

その事にすごく驚いてるんだけど……。

あー、でも、そうか。


こういうのを見て、女性を落とす術を知るんだね。


いやぁ、勉強熱心ですこと。



「何?」


「え?あー、ちょっとお願いが……。」


「お願い?」


「うん。あのね、この前湊くんの家に行ったんだけど──」


「──はぁ?」


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