本当の君を好きになる


──パンパンパン!!!!



その音と同時に、飛び出す色とりどりのリボンと紙吹雪。

そして、少ししてから香る火薬の臭い。



俺が、目をパチクリさせて固まっていると、春哉がその人物に飛びついた。



「──サンタさんだっ!!!!」




赤い帽子に、真っ白な髭。

ダボダボのサンタの衣装を身に纏った人が立っていた。

すると、その人は髭を外すと、春哉を見てニコッと微笑む。


俺は、その人物を見て固まった。




「メリークリスマス!!桐谷春哉くん!」



「あれっ!?お姉ちゃんだ!!」



そう。

そこには、瀬戸さんが立っていた。

春哉の事をギューッと抱き締めると、俺の方を見る。

そして、照れ臭そうに笑う。



「お姉ちゃん、何しに来たの!?」



「お姉ちゃん、実はね……ある人を連れてきてるの!」



「ある人……?」



「そう!それはー……この人ですっ!!」



そう言って、何かを指差す瀬戸さん。


すると、そこには──

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