本当の君を好きになる


「わあああっ!!!サンタさんだっ!!!」


サンタさん……の格好をした幸坂直登が立っていた。

俺は、驚きすぎて何も言葉を発する事が出来なかった。



「お姉ちゃんね、サンタさんとお友だちなの。だから、良い子で過ごしてる春哉くんの事をサンタさんに伝えたらね、それはプレゼントを渡してあげないとな!って言って、今日来てくれたんだよ!」



「そうなのっ!?お姉ちゃん、すげー!!!!」



「君が春哉くんだね?」



学校で出すような、優しい声で春哉に話しかける幸坂。



「メリークリスマス!プレゼントだよ!!」



そう言って、大きな白い袋からプレゼントを取り出す幸坂……いやサンタさん。

靴の形をしたそのプレゼント。

中には、たくさんのお菓子が詰め込まれていた。



「わああっ!!サンタさん!!ありがとう!!」



そう言って、春哉は大きな靴を抱えて中に入っていく。

「おばあちゃーん!!見て見てー!!」と、声が聞こえる。


そんな様子を見て、俺は微笑む。
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